朝の8時から夕方までデスクに張り付いて、損の最小化と益の最大化を目指し、だめそうならコストになるべく近いところでカット、チャンスとみれば一日中同ポジションをキープすることもあった。
利食い幅も1ポイントから数円にわたる。客玉をさばきながら、チャートを見て判断しながら、チャンス時には自己ポジションも大きくリスクをとって(通常の5-10倍程度とっていたのでしんどい)、なるべく益を追及する。思惑と逆へいった時にうまく対応するための緊張感と恐怖心を忘れては危険だから、心拍数は常時高いレベルで、リスクが大きい時はそれがさらにアップする、楽しいけれどもまさに真剣勝負の毎日だった。
危ないからと言い訳して、リスクを小さく適当にやっていれば、それほどでもなかったかもしれないが、私としては普通レベルの仕事をすることに意味はなかった。あの頃は、東京で3本の指に入るという人がいたが冗談じゃない、私はただ世界1をイメージしていた。私が自分で考えたスタイルで,私にしかできないディーリングをしていたと言える。私にとってディーリングは、小さい頃から渇望してきた自己実現がようやく果たせそうな大切なものだったので、少しの手抜きも許さなかった。
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