2009年9月1日火曜日

「スポット円ディーラー【ショーター由美子】の巻」-4

アシスタントは大変な仕事だが、私は珠算をやっていたので、全部暗算でポジション計算ができたから仕事が速かったし、ディーラーが自分で何をやったのかわからない場合でも、私はどこで何本売買したのかをほとんど把握していたからひどく重宝がられた。ミスは大きな損につながるし、またなんとしても、こいつはいいと思われる仕事をしなければ使ってもらえないと考えていたので、どんなことも見逃したり聞き逃したりしないように、今考えても恐ろしいぐらい集中して仕事をしていた。客が次から次にやってくるし、死に物狂いでディーラーについていく気持ちがないと、すぐにポジションがわからなくなってしまうからだ。

それに加え、今のような自動インプットシステムではないから、全部のディールをブローカー5社とチェックして、毎日毎日恐ろしい枚数のチケットを手書きした、よく腱鞘炎にならなかったものだ。